2020/12/07 01:04
［デザイナープロフィール］
瀬戸川 裕太 Yuta Setogawa
École supérieure des arts et techniques de la mode (esmod) women's course 2020年卒業
Competition
・Dalian Cup 2018 International Youth Fashion Design Contest/ Excellence Award
・18th YKK FASTENING AWARD/Jury’s Special Award
・19th YKK FASTENING AWARD/YKK Special Award
・KANSAI YAMAMOTO produced NIPPON GENKI PROJECT/ winner 2019 & 2020
・38th NAGOYA Fashion Design Contest/ Nominate
・93rd SO-EN AWARD/ Semi Finalist
・ESMOD GRADUATE COLLECTION/ STYLISM AWARD & GOLDEN NEEDLE AWARD
［ブランドコンセプト］
we can make our beautiful world for tomorrow
よりよい世界を私たちは作れるという信念の元、些細で断片的な記憶を辿ったファッションのプロダクトアウト。ファッションアイテムの廃棄問題などを調べ、新たな価値としてアップサイクリングすることをブランドミッションとして掲げ、モダンであること。自然体であることの美しくて強いスタイルを、美学としている。
［店主コメント］
明確にサスティナビリティを打ち出しているブランドは当店として初めてとなります。
正直なところ私はサスティナブルという言葉に懐疑的でした。Stella McCartneyが声高に主張しているそれを、翻訳された記事で呼んでもピンと来ず「どうせまた業界特有の言葉遊びで消費させる手法だろう」と認識していました。
直近でもステラのAtoZマニフェストはいまいちよく分からない(Bの『ブリティッシュ』で挫折しました)ですし、そのマニフェストに基づいて世界人口の何倍も余ってそうなTシャツやスニーカーを限定コレクションとして販売することの何がサスティナブルなのだろうと感じていました。
少し話が逸れてしまいましたがYUTASETOGAWA展示会の際に瀬戸川さんと話したことで、自分がなぜ今までサスティナブルに対して前向きになれなかったかが少し分かった気がします。恐らく世界的ブランドから発せられるそれは、ある種の同調圧力に感じられたからなんだと思います。
そして展示会を通してサスティナブルに前向きになれた理由を簡単に列挙すると以下のようになります。
一つ目はデッドストックの生地や廃材、使い道が決まらずに余っている副資材などを基に作っていること。
特にデッドストックの生地は限りがあるので必然的にコレクションのオーダー数にも限りがあります。作りすぎないことは廃棄を防ぐ意味でも重要です。
二つ目は作り手の話を聞けること。
恐らくサスティナブルという言葉についても様々な考え方があると思います。例えばフェイクファーを使うことが本当に環境に優しいことなのかについては改めて議論が起こっています。
そういった世間の課題について作り手であるデザイナーに直接伺うことが出来るのは中小規模のデザイナーズブランドならではですし、議論を続けることはブランドとショップ双方でサスティナブルを一過性のブームにさせないことに繋がるのかなと思います。"サスティナブル"というテーマ自体を持続可能にするといったところでしょうか。
最後は単純にファッションとして楽しめるというところ。
勿論、消費者として環境問題やファッション業界の課題について理解することは大切ですが、そればかりを前面に持ってこられると正直なところ楽しくありません。なぜなら本来それは生産者側で解決すべきことですから。
その点で「YUTA SETOGAWA」はデザインにおいて楽しむことを忘れてはいない。サスティナブルという言葉を付加価値にしようという打算が感じられませんでした。
そういう意味ではサスティナブルな要素抜きにセレクトしていたかも知れません。
YUTASETOGAWAのInstagramアカウントには同コレクションのその他のルックも掲載されておりますので、御存知ない方は是非ご覧下さい。
YUTA SETOGAWA Instagramアカウント
今回、2021SSに先駆けて納品して頂いたものは『- 20 graduation collection -』のもの。つまり瀬戸川さんの卒業コレクションのアイテムで完全にone-off(一点物)となります。
